アメリカ西海岸・オレゴン州のファーム。私にとっての癒しの聖域に、鮮やかなオレンジ色のトリトマの花が咲き誇る季節が巡ってくると、テラスは一気に命の歓びで満たされます。
蜜を求めてやってくるのは、小さなハミングバードや、ふくよかなバンブルビーたち。彼らのために、テラスの軒先には赤いシロップを入れたボトルを大切に吊るしてあります。羽を高速で羽ばたかせながら空中でピタリと止まり、一心に蜜を吸うハミングバード。そのひたむきな羽音に耳を澄ませていると、自分の内側からも、小さくて温かなエネルギーが静かに湧き上がってくるのを感じます。
視線をボトルの下へと移せば、そこにはまた別の、愛おしい命の気配。画面には映っていなくても、トコトコとテラスを歩く足音と、甘えるようなアイちゃんの鳴き声が優しく響いています。タロウとアイちゃんもこのトリトマの花が大好き。ハミングバードたちが空を舞うすぐ下で、オレンジ色の花を満足そうに頬張っているのです。
空を舞う小さな芸術家たちと、足元を駆ける無邪気なヤギたち。それぞれがただ夢中で、今この瞬間を生き、命を謳歌している。その境界線のない幸福な景色に包まれていると、都会で抱え込んでいた複雑な思考が、心地よく溶けていきます。
命が軽やかに響き合う3分間の愛らしいダンスを、どうぞテラスの特等席から眺めるように楽しんでください。
【Last Photo:トリトマとタロウ&アイちゃん】 追伸:ハミングバードの秘密のダンスステージは、時々、ファームの小さな乱入者たち(タロウとアイちゃん)の遊び場にも早変わりします。

